【大失恋からハッピーエンドへ】『リトル・マーメイド』原作との意外な違いとは?

自己紹介

僕はこれまでに

「白雪姫」、「シンデレラ」、「眠れる森の美女」といった

ウォルトの時代のプリンセス作品について

原作とアニメの違いを紹介してきました

今回からは、時代をぐっと進めて

ディズニー・ルネサンスの第1作目である

『リトル・マーメイド』を取り上げたいと思います

原作とアニメの違いはもちろん

リトル・マーメイド』制作の裏側についても

紹介していきたいと思います

前置きはこのあたりにして

それでは早速、見ていきましょう!

原作「人魚姫」とアニメ版「リトル・マーメイド」の違い

まず『リトル・マーメイド』の原作は

アンデルセン童話集に収録されている『人魚姫』です

これまでウォルト・ディズニーが手がけてきた作品では

物語の流れは原作に沿いつつ

細かな設定やキャラクターなどは

ディズニー独自のアレンジが加えられていました

しかしディズニー・ルネサンス以降の作品では

物語の展開だけでなく、登場人物や世界観など

原作から大きく変更された要素が数多く見られます

とはいえ『リトル・マーメイド』には

ほんのわずかではありますが

原作『人魚姫』の要素が残されている部分も存在します

そこで今回からは

原作「人魚姫」アニメ版「リトル・マーメイド」の違い

さらに両者に共通するシーン

原作にしか登場しない場面などについても詳しくご紹介していきます

・主人公の性格

原作は物静かで考え深い、少し変わった娘

アニメ版は、好奇心旺盛で自由奔放、自立した精神を持っている

何人姉がいる?

原作は5人の姉がいるアニメ版は6人の姉がいる

・母親は?

原作は生きている

アニメ版は死んでいる(リトル・マーメイド3で語られている)

・人間の世界に対して

原作は、危険と思っていない。逆に興味、関心がある

アニメ版は、野蛮で危険と考えられている

原作では、15歳になると1日だけ

1人で人間界を見に行く事を許される

・王子(エリック)との出会いから助けるところまで原作とアニメともに同じ

・助けられた王子(エリック)は

原作は、人魚姫に助けられたことは覚えていない

アニメ版は、姿はうろ覚えだが声だけは覚えている

・魔女(アースラ)との出会い

原作は、王子に会いたくて我慢できずに会いに行く

アニメ版は、父親との対立と手下の口車に乗せられて会いに行く

・魔女(アースラ)は?

原作は、魔術が使えるだけのおばあさん

アニメ版は、トリトンを破滅させようと企む悪い魔女

・取引の条件

引き換えに足を永久に手に入れられる

しかし歩くと足に刃物が刺さる痛みがある

声と引き換えに3日目の日が沈むまで足が手に入る

・条件が成立するには

王子と結婚することで成立それが失敗すると結婚式の次の日の朝には泡になる

真実の愛のキスで成立もし失敗すると・・・

王子(エリック)との再会はほぼ同じ

・王子(エリック)の思いは?

妹のように思っていて、恋人として見ていない

自分を助けてくれた人と似ていて恋に落ちる

・王子(エリック)が婚約する場面

海で助かった際、介抱してくれた修道女(隣国の王女)と

再び出会い、結婚へ

アースラがアリエルに似た女性に化け、エリックを操り結婚

いかがでしたか?

原作『人魚姫』とアニメ版『リトル・マーメイド』では

細かな設定や展開にさまざまな違いがあることが

お分かりいただけたかと思います

しかし、ここからが本題です

原作とアニメでは、結末が大きく異なります

次はその衝撃的なラストの違いについて、詳しく見ていきましょう

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大失恋からハッピーエンドへ

結婚が決まったあとの展開は

原作『人魚姫』とアニメ版『リトル・マーメイド』で

まったく異なる結末を迎えます

まず原作では、王子との結婚は成立しません

そのため人魚姫は翌朝、泡となって海に消えてしまいます

ですが、この「泡になる」という出来事は

悲劇で終わるだけではありません

泡となった人魚姫は

魂を得て空の精霊のような存在になり

これまでの苦しみから解放される

というのが、原作のラストです

王子からは恋人として愛されず

足には常にナイフが刺さるような激痛が伴い

さらには声を代償にして舌を失ったため、何も話すこともできない

心も体もボロボロになりながら

それでも魂として救われるというラストは

とても象徴的で、考えさせられるものがあります

一方、ディズニーのアニメ版はとても明快です

海の支配者となったアースラをエリック王子が打ち倒し

すべてが元通りに

そしてアリエルはエリックと結ばれ

「めでたしめでたし」のハッピーエンドが描かれます

原作が「魂の救済と解放」の物語なら

アニメ版は「自分の意志で未来を切り拓く」というテーマが込められた物語

どちらもまったく違った魅力がありますが

そのラストの解釈の違い

『リトル・マーメイド』という作品をより深く楽しむポイントなのかもしれません

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ディズニー・ルネサンスの始まり

『リトル・マーメイド』

ディズニーの長編アニメーションを復活させ

新たな時代の幕開けとなった記念すべき作品です

しかしこの作品が制作される以前

ディズニーのアニメーション部門が撤廃寸前まで追い込まれていたことは

みなさん知っていましたか?

ウォルト・ディズニーが亡くなったあと

スタジオは約20年にわたる低迷期を迎えます

経営不振が続き、アニメーション部門の存在意義すら疑問視されるようになりました

そんななか、1984年にウォルト・ディズニー・カンパニーの幹部が交代

これをきっかけに

アニメーション部門の再編と見直しが進められることになります

また『眠れる森の美女』以来

長らく手がけられてこなかった

“童話”をベースにしたアニメーション制作が再び検討され

まだアニメ化されていなかったアンデルセン童話『人魚姫』が

『リトル・マーメイド』として映画化されることになったのです

この作品ではウォルト亡き後

軽視されがちだった「音楽」に再びスポットが当てられました

ブロードウェイやミュージカル業界で活躍していた

脚本家・演出家・作曲家たちを起用し

かつてない“ミュージカル形式のアニメーション”が制作されることになります

ここからディズニー・レジェンドとして名を残す

作曲家アラン・メンケン

作詞・プロデュースを手がけたハワード・アッシュマンが制作に参加

そして1989年に公開された『リトル・マーメイド』は

世界的な大ヒットとなり

低迷していたディズニーに再び光が差すことになります

この成功を皮切りに、ディズニーは復活の道を歩み始め

『美女と野獣』『アラジン』『ライオン・キング』など

誰もが知る名作たちが次々と誕生

この一連の流れが

のちに「ディズニー・ルネサンス」と呼ばれる黄金時代を築いていくのです

まとめ

原作『人魚姫』とアニメ版『リトル・マーメイド』の違い

そして『リトル・マーメイド』制作の裏側、いかがでしたか?

“第二の黄金期=ディズニー・ルネサンス”を築いた

まさに転換点となる一本です

もし『リトル・マーメイド』がヒットしていなければ

今のようなディズニーの名作たちは生まれていなかったかもしれない

そんなふうにも言われています

原作の『人魚姫』には

アニメとはまた違った深い哀しみと救いの物語があり

アニメ版『リトル・マーメイド』には

希望と自由を求めるアリエルの成長物語があります

どちらにも異なる魅力が詰まっていますので

少しでも興味を持たれた方は

ぜひ原作を読んだり、アニメを改めて観てみたりしてみてくださいね

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