「眠れる森の美女」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
お城?
マレフィセント?
それとも三人の妖精たち?
ちなみに、僕はマレフィセントの印象がとても強く残っています
でも実は
原作にはマレフィセントのような“邪悪な魔女”は登場しないって
ご存じでしたか?
『眠れる森の美女』は、グリム童話とペロー童話の両方に収録されています
物語の大筋は似ていますが
特にペロー童話では
グリム童話やディズニーアニメーションにはない“後日談”が描かれているのです
今回は、『眠れる森の美女』の
・グリム童話版
・ペロー童話版
・ディズニーアニメーション版
それぞれの違いをご紹介していきたいと思います
それでは、さっそく見ていきましょう!!
グリム童話「イバラ姫」とペロー童話「眠れる森の美女」の違い
まず最初に、タイトルに違いがあることに気が付きましたか?
グリム童話では「イバラ姫」
一方、ペロー童話ではディズニー版と同じく
「眠れる森の美女」というタイトルになっています
物語の大筋は、ディズニー版とほぼ同じです
ただし、マレフィセントのように
最初から最後まで悪事を働く“明確な悪役”は登場しません。
そのため、ディズニー版を観てから原作を読むと
「こんなにも違うのか!」と驚きながら楽しめると思います
もし「眠れる森の美女」の内容をあまり覚えていない方や
初めて読むという方は
一度ディズニー版を見返してから読み進めることをオススメします!
それではいよいよ──
グリム童話版とペロー童話版が、どのように違うのか
じっくり比較していきましょう!
まず2つの物語の最初は
・王様とお妃様はなかなか子供を授かることができなかった
グリム版はカエルに「もうすぐ子供が産まれる」と予言をもらう
ペロー版はなんとか身ごもる
・グリム版はうらない女、ペロー版は仙女が招待される
・お祝いに招待された人数
グリム版は12人、ペロー版は7人
・グリム版は13人目、ペロー版は8人目に呪いをかけられる
・呪いを解くには
グリム版は、100年眠りにつけば目覚める
ペロー版は、100年後に王子が訪れると目覚める
・呪いが発動した後
城のすべての人が眠りにつく
王とお妃以外の人たちが眠りにつく
・お姫様の目覚め
キスで目覚める、予言通りに100年後に王子がやってきて目が覚める
とこのような形で
グリム童話はメルヘン要素が強い物語
ペロー童話は少し現実味のある物語になっています
グリム童話の「イバラ姫」はここで物語は終わりです
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しかしペロー版はこの物語の後に続きがあります!
ペロー童話「眠れる森の美女」その後の物語
お姫様が目覚めた後、王子はお姫様の宮殿に暮らすことになります
そこで二人の間に2人の娘と息子を授かりました
娘はオーロール、息子はジュールと名付けられました
その後、王子は自分の国に戻り、結婚したことを自分の両親である王と王妃に報告します
しかし実はこの王妃は人喰い種族だったのです
王と王妃に報告後、お姫様は王子の国に移り住むことになりました
しばらくして王は亡くなり、王子が国を治めることになります。
そしてさらに数年後、隣国との戦争で王子は自分の母に
お姫様と2人の子供を任せて戦争に行ってしまいました
王妃はここで本性をあらわにし
お姫様と2人の子供を喰う計画を立てるのです
いかがでしたか?
みなさんがよく知っている「眠れる森の美女」とは
まるで別物のような猟奇的な展開になっていて驚きませんか?
実は、ペロー童話ではこの後半部分こそが本編で
みなさんが知っている「眠れる森の美女」のお話は
この展開に繋げるための“前置き”のような位置づけになっているんです
ところで──
王子の母親が、実は恐ろしい女王だったという展開
どこかで見覚えありませんか?
そうです
『マレフィセント2』と少し似ていると思いませんか?
おそらくですが
マレフィセント2はこのペロー童話の後日談に
インスピレーションを受けたのではないかと感じました
このあたりの違いや共通点については
また改めて考察してみたいと思います!
そして気になるのは
人喰い王妃が、このあとお姫様とその子どもたちに何をしたのか
この続きが気になる方は
ぜひ一度、ペロー版『眠れる森の美女』を読んでみてくださいね!
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グリム童話「イバラ姫」とディズニー版「眠れる森の美女」の違い
グリム童話の「イバラ姫」とディズニー版の「眠れる森の美女」は
実は、ペロー版と比べると物語の展開そのものはほぼ同じなんです
でも、物語の中心人物を見てみると……
そこには大きな違いがあるんです!
グリム版では、物語の主役はお姫様
一方でディズニー版では
三人の妖精たちが物語の中心として描かれています
この違い、結構おもしろいですよね!
ではさっそく、グリム版とディズニー版の違いについて
詳しく見ていきましょう!
・グリム版はうらない女、ディズニー版では3人の妖精が招待される
・招待されずに腹いせで呪いをかける人物
13番目の仙女、魔の山に住むマレフィセントという魔女
・呪いが発動する年齢
グリム版は15歳、ディズニー版は16歳
・呪いをかけられたその後
国中の糸車を燃やすがそれ以外は何もしない
国中の糸車を燃やし、3人の妖精がオーロラ姫をかくまう
・王子との出会い
物語の終盤、かくまっている間、森で出会う
・糸車を刺すきっかけ
城を探索中に古い塔を見つけ
そこで糸車を使っているおばあさん(仙女ではない)の
手伝いをしようとして刺さる
マレフィセントに操られて刺さる
とこんな感じで
物語の流れは同じですが
細かいところの設定には違いがあります
しかし呪いがかかった後の物語の展開は大きく違います
・お姫様が眠りについた後
グリム版は、100年後が経過し、王子が訪れる
ディズニー版は、マレフィセントに囚われた王子を3人の妖精が助ける
王子がマレフィセントと闘い、勝利する
・呪いが解かれるまでの期間
グリム版は100年、ディズニー版は数時間
いかがでしたか?
こうして見てみると
ディズニー版ではマレフィセントと三人の妖精が
物語の中心として大きく描かれていることがわかりますよね
原作と比べてみても
ディズニー版は「冒険」や「ファンタジー」色が強く
よりエンターテインメントとして
楽しめる作品に仕上がっていると感じました
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まとめ
話をまとめると…
グリム版「イバラ姫」は、メルヘンチックでサッパリとした印象
ペロー版「眠れる森の美女」は、現実味があり、後日談はかなり猟奇的
ディズニー版「眠れる森の美女」は、冒険とファンタジー要素が強い作品
このように「眠れる森の美女」は
それぞれのバージョンでまったく違った面白さがある物語です
もし原作やディズニーアニメーションに興味を持ったら
ぜひ一度、読んだり観たりしてみてくださいね!
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