ディズニー映画の中でも
最も有名な実写作品のひとつ――
『メリー・ポピンズ』
僕自身、これまで観てきた数々の実写化作品の中でも
間違いなく一・二を争うほど好きな作品です
公開から半世紀以上経った今でも、多くの人に愛され続けていますよね
実はこの映画『メリー・ポピンズ』は
原作から大きく物語が変更されていることをご存じでしょうか?
今回は、そんな原作と実写版の違い
そしてなぜウォルトが物語を大幅に変えたのかを
僕なりの視点で考察していきたいと思います
それでは、さっそくまいりましょう!
「メリーポピンズ」原作と実写版の違い
原作『風にのってきたメアリー・ポピンズ』は、全12章からなる比較的長い児童小説です
一方、実写映画『メリー・ポピンズ』では
原作のわずか3分の1ほどのエピソードしか描かれていません
さらに、物語の後半の展開は原作と大きく異なっており
ディズニー映画として大胆に再構成されています
今回は、実写版『メリー・ポピンズ』を基準に、両者の違いを具体的に見ていきましょう
バンクス家の家族構成
原作:バンクス氏(父)、バンクス夫人、ジェーン、マイケル、双子のジョンとバーバラ
実写版:ジョージ(父)、ウィニフレッド(母)、ジェーン、マイケル
※双子のジョンとバーバラは登場しません
バンクス家の身分設定
原作:桜通りで最も貧しい家庭
実写版:桜通りで最も裕福な家庭
メリーポピンズの性格
原作:冷淡で皮肉屋。ただし、内面には子どもらしい感性を秘める
実写版:上品で思いやりがあり、ユーモアを交えながら子どもに接する
バートの登場
原作:第2章目のみの登場
実写版:準主役として全編に登場。物語の案内役的存在に
バンクス夫妻の描かれ方
原作:ほとんど出番なし
実写版:家族ドラマの中心人物
→ とくに父ジョージ・バンクスは、映画では「家族を通じて成長する」主人公的存在に
父親の性格
原作:1章と最終章にしか登場せず、人物像は曖昧
実写版:威厳があり、厳格な銀行員として描かれる
家の片付けの場面
原作:なし(代わりに薬を飲む場面がここになる)
実写版:「お砂糖ひとさじ」の名場面
絵の中に入るシーン
原作:メアリー・ポピンズとバートのみ
実写版:メリー、バート、ジェーン、マイケルが一緒に冒険
→ 映画では家族的な温かさを強調
空中でのお茶会
原作:あるが、バートは登場しない
実写版:バートも参加し、明るい笑いのシーンに
犬のアンドリュー
原作:独立したエピソードとして描かれる
実写版:登場はするが、物語上ではほとんど触れられない
ハトのおばあさん
原作:ジェーンとマイケルが実際に餌を買う
実写版:餌を買えずに立ち去る(象徴的な場面に変更)
ここまで見ても、原作のエピソードは全体の3分の1ほどしか使われていません
そして、後半に進むにつれて、物語の方向性が大きく異なっていきます
原作では、ジェーンとマイケル、そして双子のジョンとバーバラが
原作は、子供たち(ジェーンとマイケル、双子ちゃん)は
メアリー・ポピンズとの不思議な出来事を通して少しずつ成長していく物語です
しかし実写版では
メリー・ポピンズや子どもたちを通じて
父親ジョージ・バンクスが改心し、家族を取り戻すという物語へと変化しています
この比較を見て
「原作ではどんな物語なんだろう?」と気になった方も多いのではないでしょうか
ぜひ一度、原作『風にのってきたメアリー・ポピンズ』を手に取ってみてください!
きっと、僕と同じようにその意外な内容に驚くはずです
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では、なぜウォルトはこのような大きな改変を行ったのでしょうか?
次の章では、その理由について考察していきたいと思います
ウォルトが込めた父への想い
※ここからの考察は、映画『ウォルト・ディズニーの約束』をご覧になった前提でお話しします
まだ観ていない方は、先にご視聴されてからお読みいただくと、より理解が深まると思います
原作では、バンクス氏の登場はごくわずかですが
子ども思いの優しい父親という一面が描かれています
そして、『ウォルト・ディズニーの約束』でも
原作者P.L.トラヴァース氏の父もまた
子どもとの約束を大切にする、愛情深い父親として描かれていました
しかし実写版『メリー・ポピンズ』では
ジョージ・バンクスは威厳があるものの、子どもの気持ちを理解できない父親として登場します
では、なぜそのように描かれたのでしょうか?
それは――
ウォルト・ディズニー自身が、ジョージ・バンクスを自分の父親に重ね合わせたからだと思われます
『ウォルト・ディズニーの約束』の中でも、ウォルトは自身の過去を語っています
彼は「“ディズニー”と呼ばれるのは好きではない。あれは父の名前だから」と言い
さらに幼少期の記憶として、父の厳しさや暴力的な一面を明かしています
実際、ウォルトの伝記にも
父親イライアス・ディズニーの強権的な性格が記されており
・父親の横暴さで兄たちが家を飛び出したこと
・ウォルト自身が学校へ通わせなかったこと
など、彼の家庭環境には多くの苦しみがあったと伝えられています
実写版のジョージ・バンクスは、そこまで極端には描かれていませんが
・子どもたちの書いた求人票を破る
・マイケルにお金を無理やり銀行に預けさせる
など、家庭よりも規律と体裁を優先する父親像として登場します
しかし、物語のラストでは銀行をクビになり
それをきっかけにようやく子どもたちの思いを理解し、家族の愛情を取り戻すことができました
おそらくウォルトは
この“父親の改心”という物語を通して
自分が叶えられなかった理想の父親像――「こうあってほしかった父」を描いたのではないでしょうか
つまり、『メリー・ポピンズ』の物語は
ウォルト・ディズニー自身が“父と和解するための物語”でもあったのかもしれません
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まとめ
ディズニー映画はこれまで数多くの名作を実写化してきましたが
『メリーポピンズ』はその中でも“原作改変の成功例”といえる作品だと思います
原作の持つ幻想的な魅力を残しながらも
実写版では父親ジョージ・バンクスが子どもたちやメリーポピンズを通して
「家族の大切さ」に気づき、改心していく物語へと変化しています
そして、その背景にウォルト自身の父への想い――
“厳しかった父と心の中で和解”という願いが込められていたと考えると
この映画がより一層深みのある作品として見えてくるのではないでしょうか
みなさんは『メリーポピンズ』をどんな物語として受け取っていますか?
もしよければ、コメントやXでぜひ教えてください!
この記事を読んで原作を手に取りたくなった方
あるいは『メリーポピンズ』や『ウォルト・ディズニーの約束』をもう一度観たくなった方は
ぜひこの機会に触れてみてください!
きっと、不思議で面白い発見があるはずです!


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