なぜピノキオは人間の子供になれたのか|原作が描く子供の道徳と成長の物語

みなさんは、星に願い事をするなら何をお願いしますか?

僕なら――

「フロリダのディズニーワールドに行けますように」

とお願いしたいですね!

今回ご紹介する作品は

今の一文でもお分かりのとおり

『ピノキオ』です

原作『ピノッキオの冒険』は

著者カルロ・コッローディが

子ども向けの新聞で連載したことから始まった児童文学作品です

そしてディズニー作品としては

名曲 「星に願いを」 が誕生したことでも知られています

今回は

ピノキオの原作とディズニーアニメの違いを整理しつつ

「なぜピノッキオは人間の子どもになれたのか」

この問いについて考察していきたいと思います

それでは、早速まいりましょう!

「ピノキオ」原作とアニメの違いとは

原作とアニメ版の『ピノキオ』は

物語の大まかな流れ自体は共通しています

しかし原作では、ピノキオに数多くの出来事が起こるため

アニメ版と比べて非常に濃厚な物語となっています

一方アニメ版は

原作の中でも特に印象深いエピソードを抜粋して構成された作品です

そのため、原作と比べるとやや淡白な物語という印象を受けます

そこで今回は

アニメ版を基準として

原作との違いをご紹介していきたいと思います


・ピノキオの誕生

原作:意思を持った木切れから作られるところから始まる

アニメ版:すでに完成した人形として登場する


・ゼペットじいさん

原作:貧乏で短気、怒りっぽいおじいさん

アニメ版:おもちゃ屋を営む、心優しいおじいさん


・ピノキオの性格

原作:いたずら好きで怠け者

アニメ版:純粋で心優しい性格


・ピノキオはなぜ生きているのか

原作:もともと意思を持っていた木切れから作られたため

アニメ版:ブルー・フェアリーが命を与えたため


・なぜ人間の子どもになりたいのか

原作:さまざまな経験をする中で、人間の子どもに憧れを抱いた

アニメ版:ゼペットの願いによるもの


・妖精の存在

原作:さまざまな姿に変身できる仙女

アニメ版:ブルー・フェアリーとして登場


・コオロギについて

原作:ピノキオに潰されて死んでしまう

アニメ版:ピノキオの良心として行動を共にする


・ピノキオが人形劇場に向かった理由

原作:学校へ向かう途中で、ふらっと立ち寄った

アニメ版:正直ジョンにそそのかされた


・人形使いに捕まった時

原作:ピノキオの情けに心を打たれ、金貨5枚を渡して解放する

アニメ版:ブルー・フェアリーが助け出す


・キツネとネコ

原作:金貨を持つピノッキオを狙い、騙して盗む

アニメ版:ピノキオをそそのかし、人形使いに売り飛ばしたり、おもちゃの国へ連れて行く

※原作では、この行いに対する明確な報いが描かれている


・おもちゃの国に連れて行かれた理由

原作:一番仲の良い悪友に誘われて付いて行った

アニメ版:正直ジョンに無理やり連れて行かれた


・おもちゃの国の結末

原作:ピノキオと悪友はロバになり、売り飛ばされる

アニメ版:ロバになる前に逃げ出す


・怪物の正体

原作:全長1kmにも及ぶフカ(サメ)

アニメ版:巨大なクジラ


物語の最後

原作

フカから逃げたピノッキオとゼペット。
ピノッキオはゼペットを養うため、懸命に勉強と仕事に励み、病気で床に伏せた仙女も養った結果、仙女によって人間になる。

アニメ版

ゼペットを助けるという勇気ある行動を取った結果、人間の子どもになる。


このように見ていくと

原作とアニメ版では物語の性質が大きく異なることが分かります

また原作では、人形使いとおもちゃの国の間にも

仙女との出会いや学校生活の描写などが挟まれ

非常に密度の高い物語となっています

では

なぜピノキオは人間になることができたのでしょうか

次の章では、その点について考察していきたいと思います

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なぜピノキオは人間の子供になれたのか

まず、ディズニーのアニメ版と実写版の「ピノキオ」は

原作の根本的な意味を捉えきれてはいないと考えています

アニメ版では

生まれた時から純粋な優しさを持ち合わせていましたが

物語をだいぶ割愛しているため

ピノキオが成長していく様子をあまり描くことができませんでした

実写版は、この性格をあまり変えず

最終的にはピノキオは木の子供としてあり続けることを選びました

そこには多様性や在り方を肯定する現代的な価値観が

反映されているようにも感じられます

しかし、ピノッキオが木の人形から人間の子供にならないといけないことには

やはり原作ならではの意味があると考えています

では、なぜピノッキオは人間にならないといけなかったのでしょうか

ピノッキオの性格

ピノッキオが生まれた時の性格は

わがままで感情的な、本当に手に負えない木の人形でした

ピノッキオが勝手に家を飛び出したことがきっかけで、ゼペットが警察に捕まったり

説教してくるコオロギに腹を立て、金槌を投げて殺してしまったり

ゼペットが上着と引き換えに買った教科書を、人形劇を見るために売り飛ばしたり

道徳的に欠けている行いを多々行っていました

その結果は、みなさんもお察しの通りです

人形劇を観に行った結果、人形使いに捕まったり

悪友とおもちゃの国について行った結果、ロバになったり

散々な目に遭います

ピノッキオは、その都度、自分の行動が招いた現実と向き合わされていきます

しかし、子供の道徳心は

物語序盤のピノッキオのようなものではないでしょうか

善悪の区別がつかない

勉強や手伝いなど、楽しくないことは嫌がり

遊びなどの楽しいことにはすぐに惹かれてしまう

友達の甘い誘いには、約束事をそっちのけでついて行ってしまう

正しさを理解していても、それを選べるとは限らない

そういった子供の純粋な感情を

原作ではかなりリアルに表現しているのだと考えられます

なぜピノッキオはロバになったのか

ピノッキオは、悪友とともにおもちゃの国へ行き

5ヶ月間、そこで遊び暮らしていました

そんなある日、ピノッキオは自分の耳がロバになっていることに気づきます

慌てて悪友のもとへ向かうと、彼の耳もまたロバになっていました

やがて二人はそのまま完全にロバの姿となり

おもちゃの国へ連れてきた男に売り飛ばされることになります

原作でもアニメでも、ピノッキオがロバになる場面は特に印象的ですよね!

では、なぜピノッキオはロバになったのでしょうか

それは、ロバがヨーロッパにおいて

「愚か者」や「分別のない存在」を象徴する動物だったからだと考えられます

ロバは従順で力仕事に向いている一方で

学ばず、考えず、ただ使われる存在として扱われてきました

そのため、「怠けて学ばない者」「考えることを放棄した者」の比喩として

ロバが選ばれたのだと思われます

実は日本にも、よく似た例えがあります

日本では「愚か者」や「のろまな者」を

馬や牛に例える表現が使われてきました

このように

怠け者や愚か者を動物にたとえる文化は各地に存在しており

ヨーロッパではそれがロバだった、ということなのでしょう

苦難を乗り越えて

ここまでの話を聞くと

ピノッキオは相当なトラブルメーカーに思えるかもしれません

しかし実際には

こうしたトラブルのあとにこそ

ピノッキオは自分の行いを振り返り、反省し

少しずつ道徳心を身につけて成長していきます

人形使いに捕まった出来事から

おもちゃの国へ行くまでの間には

原作ではおよそ1年以上の時間が流れています

その間、ピノッキオは仙女の養子として暮らし、学校にも通い

良き息子であり、良き生徒として日々を過ごしていました

常に問題ばかりを起こしていたわけではないのです

ロバの姿から元に戻った後、ピノッキオはフカに飲み込まれ

その腹の中でゼペットと再会します

そこでピノッキオは

これまでの出来事の中で得た経験や知恵を活かし

ゼペットと共にフカの腹の中から脱出します

その後、ピノッキオは

貧しいゼペットのために

朝から晩まで勉強と仕事に励みます

さらに、仙女が病に伏せたことを知ると

これまでに貯めた金貨をすべて彼女に差し出します

こうした行いを経て

ピノッキオは人間の子供へと変わっていきました


では、なぜピノッキオは

木の人形から人間の子供になれたのでしょうか

木の人形とは

善悪の区別もつかず、成長もしない、ただの「モノ」です

物語の序盤のピノッキオは

自ら災難に飛び込んでいく

言ってしまえばただの愚か者でした

しかし数々の災難を通して善悪を学び

仙女やゼペットなど多くの人や動物と関わる中で

他者を思いやる気持ちを知り

思いやりを理解し、少しずつ道徳心を育てていきました

その結果として

ピノッキオは人間の子供になることができたのだと考えられます

物語には

人間の子供でありながら自堕落に生きる子供たちも登場します

彼らは作中にピノッキオ同様痛い目に遭い

本当に悪い子は最終的に

「愚か者=ロバ」となり

その一生をロバとして生きることになります

おそらく原作者は

善悪や知識を身につけ、正しく生きようとする者を「子供」とし

怠け者で自堕落に遊んでばかりの者を

操り人形やロバといった「愚か者」として描いたのでしょう

そうした勧善懲悪の思想が、この物語の根底にはあります

だからこそ『ピノッキオの冒険』は

今なお多くの子供たちに読み継がれ

子供のための哲学書としてあり続けているのだと思います

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まとめ

原作『ピノッキオの冒険』

子供たちに道徳心を教えてくれる文学作品だと思います

物語にはかなり過激な表現もありますが

そうした出来事を乗り越えたからこそ得られる教訓を

この本は私たちに伝えてくれます

もし原作の過激な描写が少し厳しいと感じるのであれば

ディズニー版を通して

原作の核にある「道徳心」や「良心」を描いた場面

そして「星に願いを」などの名曲を楽しむのも

一つの向き合い方だと思います

みなさんは、ピノキオのどんなところが好きですか?

僕はジミニーですね

この歳になって、ジミニーのように良心を示してくれる存在の大切さを

しみじみと感じるようになりました

もしこの記事を読んで

もう一度アニメを観てみたい

あるいは原作を読んでみたいと思った方は

ぜひ手に取ってみてください!

あなたにとって大事なことを

ピノキオが教えてくれるかもしれませんよ

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