「アナと雪の女王」
この作品の細かい説明は、もう必要ないでしょう!
ディズニー初の“Wプリンセス”登場に
「Let it go〜ありのままで〜」や「生まれて初めて」といった名曲の数々
いまやディズニー長編アニメーションを代表する、誰もが知る超有名作品です!
「アナ雪」はこれまでに数えきれないほどの小ネタや裏話が
テレビやYouTubeなどで紹介され、語りつくされてきました
しかし今回は、そんな小ネタや裏話ではなく――
ちょっと違う角度からの楽しみ方をみなさんにご紹介したいと思います
まずは、原作とアニメの意外な共通点の解説
次に「アナ雪1」を、ちょっと変わった角度から楽しむ方法をご紹介
そして「アナ雪2」で描かれたアナとエルサが示す“これからのディズニープリンセスの行く末”
豪華3本立てとなっていますので
興味のある章から読んでみてくださいね!
それでは、さっそく参りましょう!
原作「雪の女王」の共通点
これまでのディズニー作品は、原作の流れを大きく変えず
現代にあった要素を盛り込むことで新しい命を吹き込んできました
しかし『アナと雪の女王』は
原作『雪の女王』とはまったく別物の作品になっています
…とはいえ
面白いことに作品の中には、いくつも原作と共通する要素があるんです
今回は、その共通点をピックアップしてご紹介&解説していきます
原作とアニメのざっくり比較
・主な登場人物
原作:ゲルダ(少女)、カイ(少年)、雪の女王
アニメ:アナ、エルサ、クリストフ、スヴェン、オラフ
・物語の軸
原作:雪の女王にさらわれたカイを助けに行く物語
アニメ:氷に閉ざされたアレンデールを救い、エルサを連れ戻す物語
共通点その1:物語のテーマ
アニメは姉妹愛を中心に家族の絆を描いていますが
原作もゲルダとカイという“兄妹のような関係”の友情物語です
原作のラストでは
ゲルダとカイは大人になり、男女として結ばれるような雰囲気で締めくくられます
アニメではこれが「アナとエルサの姉妹愛」
「アナとクリストフの恋愛」に分けられたと考えると面白いですね
共通点その2:物語の目的
アナはエルサを連れ戻し、アレンデールを元に戻すために旅に出ます
ゲルダもカイを連れ戻すために旅へ出ます
つまり、どちらも“愛する者を取り戻す旅”が物語の軸になっています
違いは“旅の成長描写”
原作ではゲルダが国々を巡る中で成長していく姿がしっかり描かれますが
アナの旅はどちらかといえばドタバタコメディ風
成長要素が薄い分、よりライトに楽しめる物語になっています
共通点その3:雪の女王のキャラクター
今では「雪の女王=エルサ」というイメージがすっかり定着していますよね
実は原作の雪の女王も
エルサと同じく落ち着いた雰囲気をまとい、愛情深い一面を持っています
カイをさらった張本人ではありますが
彼に対する態度は冷酷ではなく、むしろ優しさや誠実さすら感じさせるのです
しかも“なぜ彼をさらったのか”という動機は最後まで描かれません
つまり、原作の雪の女王は“完全な悪役”ではないということ
エルサの「愛情深く、誠実な一面」は
もしかするとこの原作の雪の女王から引き継がれたものなのかもしれませんね
共通点その4:スケート靴と自由の象徴
アニメのラストで、エルサが広場に氷を張り
アナの靴をスケート靴に変えて一緒に滑る場面がありますよね
実はあのスケート靴、原作『雪の女王』からのオマージュなんです
原作では
カイが自由になったあとに“新しい世界とスケート靴”を贈られる描写があります
どちらも「束縛から解き放たれ、新しい人生を歩み出す」象徴として
スケート靴が登場しているのが面白いですよね
おまけ:トナカイの共通点
意外かもしれませんが、原作にもスヴェンのようなトナカイが登場します
しかもしゃべるんです!
『アナ雪1・2』でスヴェンがクリストフを通して話すシーンがあるのは
この原作要素からのオマージュかもしれませんね
いかがでしたか?
こうして見ていくと、原作とアニメは別物でありながら
随所に共通点やオマージュが隠されているのがわかります
これをきっかけに原作を読んでみたり
アナ雪を原作の視点で見返してみると
きっと新しい発見があるはずです!
アンデルセン童話集 2(完訳) (岩波文庫 赤740-2) [ アンデルセン,H.C. ] 価格:924円(税込、送料無料) (2025/9/4時点) 楽天で購入 |
みなさんはすでに「アナと雪の女王」を
テレビやBlu-ray、そしてサブスクで何度も観ているのではないでしょうか?
でも、毎回同じ観方をしていると少しマンネリ化してしまいますよね
次の章では、いつものアナ雪がちょっと新鮮に見える“変わった楽しみ方”をご紹介します
ヴィランズ“氷の女王エルサ”
最初に言っておきますが――
エルサは紛れもなく、ディズニーを代表するディズニープリンセスです!
しかし皆さんもご存じの通り
構想段階のエルサは悪役になる予定でしたし、原作『雪の女王』でも立ち位置は“敵役”
それなのに、彼女の行動を改めて見直すと…
実は歴代ディズニー・ヴィランズと驚くほど共通点があるのです
これまでのヴィランズたちは
物語の引き金となる事件を起こし、人々に恐怖と孤立を与える存在でした
エルサも同じではありませんか?
アレンデールを氷で閉ざし、国中を恐怖に陥れ
ノースマウンテンに自分だけの城を築き、孤立を選びます
さらに兵士たちと戦い、ついには牢屋に入れられる――
もちろん、彼女には悪意などありません
しかしその行動パターンだけを見ると
まるで“ヴィランズの物語”のように見えてきませんか?
エルサはプリンセスでありながら、ヴィランズ的な役割も担っているキャラクター
今回はそんな「ヴィランズとしてのエルサ」という視点で
『アナと雪の女王』を楽しむ方法をご紹介します
Let It Go 〜ヴィランズ覚醒の瞬間〜
まず、ぜひ字幕版で観てみてください!
吹替版は松たか子さんの力強い歌声とポジティブな歌詞で“解放の歌”として響きますが
字幕版ではイディナ・メンゼルの低めの歌声と英語の歌詞が
どこか“ヴィランズらしい”雰囲気を漂わせます
字幕の歌詞やイディナ・メンゼルの声がだいぶヴィランズの雰囲気を出しています
1、孤独と苦悩の宣言
「雪が山を覆う夜 足跡はひとつ残らない
隔絶された王国 私はその女王
風がうなる 心の嵐のように
私の苦しみを天だけが知っている」
エルサは吹雪の山をたった一人で登りながら、胸の内を吐露します
まだこの時点では“追放された王女”という立場を自覚しており、孤独と恐怖に震えています
これはまるでヴィランズが“自分の宿命を自覚する瞬間”のようです
2、禁忌の解放
「秘密を悟らせないで いつも素直な娘で
感情を抑えて 隠さなければ
でも知られてしまった」
「これでいい かまわない もう何も隠せない
これでいいの かまわない 過去に扉を閉ざすのよ もう気にしない 何を言われようとも
嵐を吹き荒れるがいい 寒さなど平気よ」
ここでエルサは、長年守ってきた“隠す”というルールを破ります
手袋を外し、魔法を解放する姿は
まるでアースラやジャファー、ハデスが禁忌を破り、自らの力を解き放つ瞬間と重なります
3、王国の建設と孤立
「遠くから眺めると 全てが砂粒のよう
恐れは遠く去り もう私を苦しめない
怯えることなく 未知へと突き進む
善悪やルールに縛られずに
私は自由よ」
「これでいいの かまわない
風と空は私の物
これでいいの かまわない
二度と涙は流さない
自分の道を行く ここが私の王国
嵐よ吹き荒れるがいい」
エルサはノースマウンテンに氷の城を築き
アレンデールの女王の象徴であるティアラを投げ捨てます
これは、アレンデールという国と、女王としての役割を捨て
“孤高の存在”として生きることを選んだ瞬間です
4、ヴィランズとしての覚醒
「これでいいの かまわない
新しい夜明け
これでいいの かまわない
もう理想の娘はいない
私の道を行く 輝く光を受けて
嵐を吹き荒れるがいい 寒さなど平気よ」
ついにエルサは過去と決別し、新しい自分として生まれ変わります
歌の最後の「寒さなど平気よ」で見せる決意に満ちた表情
そして背後の扉がバタンと閉まるカットは
まさにヴィランズが“世界と決別する”瞬間そのもの
ここでエルサは、プリンセスとしてではなく
“孤高の存在”としての道を歩み始めたのです
エルサにとってはハッピーエンドだったのか?
物語の最後、アナの望み通り王国の魔法は解け
最愛の姉・エルサも戻り
アナ自身は運命の相手・クリストフと恋に落ちます
今作のヴィランであったハンスは追放され
歴代ヴィランズ同様「倒される」という形で物語を去りました
しかし、エルサは倒されるのではなく
「愛を知ったことで受け入れられる」という特別な結末を迎えます
ですが、これがエルサにとって本当にハッピーエンドだったのでしょうか?
・幼少期の空白の時間は、まだ埋められていない
・彼女だけがなぜ魔法を使えるのかという謎も残されたまま
・そして、エルサの“ありのまま”はまだ完全には示されていない
つまり、エルサの物語はここで終わりではなく、まだ“保留”なのです
この変わった楽しみ方、いかがでしたか?
「エルサ=ヴィランズ」という視点は
実は短編や『アナと雪の女王2』でも楽しむことができます
特に2では、エルサが完全に主人公となり
“ヴィランズ”の要素を持つ存在から
“真のプリンセス”へと成長していくという見方で楽しむことができます
ぜひ、普通に観るのに飽きたら
「エルサ=ヴィランズ」という切り口で『アナ雪1』を見直してみてください
きっと新しい発見があるはずです!
【特典】アナと雪の女王 MovieNEX(『星つなぎのエリオ』劇場公開記念 オリジナルスライダーポーチ) [ クリステン・ベル ] 価格:3,212円(税込、送料無料) (2025/9/9時点) 楽天で購入 |
アナとエルサが示す プリンセスの行く末
前章でお話しした通り、Wプリンセスの1人であるアナは
アナ自身が望んだ結末を迎え、物語を終えました
しかし、エルサの物語にはまだ“問題”が残っています
・彼女だけがなぜ魔法を使えるのかという謎も残されたまま
・そして、エルサの“ありのまま”はまだ完全には示されていない
僕自身、アナ雪は「1」と「2」というナンバリングで呼ばれていますが
どちらかというと“前編・後編”として捉えています
それほど、物語の筋道がよく作られていると感じるからです
では、『アナと雪の女王2』でエルサの問題は解決したのでしょうか?
そして、アナとエルサがそれぞれ示す“これからのプリンセス像”とは何なのか?
次の章では、その2つのテーマを掘り下げていきたいと思います
エルサの抱える問題とは
1作目の物語は、とてもシンプルでした
アナは、広い世界を見て運命の相手を見つけたい――
これは歴代ディズニープリンセスと同じ目的です
しかし、エルサは違いました
エルサの目的はもっと内面的で、少しダークです
それは「本当の自分の目的を見つけること」
これは、プリンセスで言えばムーランに近い動機であり
同時に前章でお話しした“ヴィランズ視点”にも重なります
ヴィランズはいつも
「本当の自分」と「みんなが期待する自分」の間で葛藤します
1作目のエルサは、周囲の期待を捨てて“本当の自分”を解放しました
しかし――
「自分は何のために生まれたのか?」という答えはまだ出ていませんでした
この未解決の問題が、『アナと雪の女王2』で描かれます
エルサはついに、自分の“存在意義”を見つけます
それは――第5の精霊として、人間と精霊の架け橋になること
しかし、その道筋は決して明るいものではありません
祖父がノーサルドラ族長を殺し、ダムを建設したという
アレンデールの“負の歴史”と向き合わねばならなかったのです
この試練は、アナにとっては王国の未来を守るための使命
そしてエルサにとっては、新しいプリンセス像――
「孤独ではなく、世界とつながる存在」へと成長するための物語でした
Wプリンセスが示す、それぞれの価値観とは?
物語は、アナとエルサの活躍によってアレンデールとノーサルドラが救われる結末を迎えます
しかしエルサは第5の精霊としてノーサルドラに残る道を選びます
エルサは「歴代のプリンセス」という枠を降り
“1人の個として自立心を持ったヒロイン”へと成長しました
これはこれまでのディズニーにはなかった、新しいヒロイン像です
一方アナは、歴代のプリンセスと同じく
王国とパートナーと共生する価値観を持ち続けます
しかしアナが示したのはそれだけではありません
これまでの物語では「いつまでも幸せに暮らしました」という
“変化しない未来”が約束されることが多かったのに対し
アナは「物事は変化する」という価値観を作品を通して体現しました
最初、アナはエルサやクリストフ、スヴェンやオラフと
アレンデールでずっと一緒に暮らすと信じていました
しかし『アナ雪2』を通じて変化を受け入れ
アレンデールの女王として、クリストフの妻として歩む道を選びます
つまり
・エルサは「1人の個として生きることの価値」
・アナは「共生しながらも変化を受け入れる価値」
をそれぞれ示してくれたのです
この2つの価値観は、どちらが正しいというものではありません
どちらも“幸せの形”であり、Wプリンセスだからこそ両方を同時に描くことができた
とても現代的で深みのある結末だったといえるでしょう
【特典】アナと雪の女王2 MovieNEX コンプリート・ケース付き(数量限定)(『星つなぎのエリオ』劇場公開記念 オリジナルスライダーポーチ) [ イディナ・メンゼル ] 価格:3,212円(税込、送料無料) (2025/9/13時点) 楽天で購入 |
まとめ
「アナと雪の女王」は
原作を知った上で見返したり
ヴィランズという少し変わった視点から観ることで
新しい発見がある作品だと改めて感じました
この作品がここまで長く愛されている理由は
キャラクター、音楽、そして物語が
とても丁寧に作り込まれているからこそでしょう
そして、シリーズは今後「アナと雪の女王3」「4」も控えています
完成度の高いこの物語で
アナとエルサは次にどんなメッセージを語ってくれるのでしょうか
みなさんは「アナと雪の女王」のどこが好きですか?
僕は、松たか子さんのエルサと神田沙也加さんのアナが特に好きです
よかったら、この記事のコメント欄やXで教えてくださいね!
ぜひ原作やヴィランズ視点など
いつもとは少し違った切り口で
新たに「アナ雪」を楽しんでみてはいかがでしょうか?
コメント