チョコレートの包み紙の裏には、キラキラと輝く金のチケットが入っていたのです。
この一文だけでも、僕たちはチャーリーと同じような興奮を味わえるのではないでしょうか。
今回ご紹介する作品は、お察しの通り『チャーリーとチョコレート工場』です。
この作品は現在でも金曜ロードショーで何度も放送されており、新たな吹き替え版が制作されるほど根強い人気を誇っています。
しかし、みなさんがよく知っている『チャーリーとチョコレート工場』は、1971年に公開された『夢のチョコレート工場』のリメイク作品です。
さらに、2023年に公開された『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、『夢のチョコレート工場』へと繋がる前日譚として制作されました。
このように、本作を取り巻く作品群は意外と複雑な関係になっています。
そこで今回は、すべての原作となった『チョコレート工場の秘密』の紹介とともに、『チャーリーとチョコレート工場』、『夢のチョコレート工場』、そして『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』の面白い違いや繋がりをご紹介したいと思います。
原作『チョコレート工場の秘密』
原作『チョコレート工場の秘密』は、1964年に著者ロアルド・ダールによって書かれたのが始まりです。
そして気になるその物語ですが、実はティム・バートン版『チャーリーとチョコレート工場』とほぼ同じ内容なんです。
原作を読んでまず驚いたのは、『チャーリーとチョコレート工場』が想像以上に原作に忠実だったことでした。ストーリーの流れはもちろん、ウンパ・ルンパの故郷や子供たちが辿る結末など、多くの要素が原作から受け継がれています。
しかし、原作にしかない要素もいくつかありますので、ご紹介したいと思います。
・ウィリー・ウォンカ
ウィリー・ウォンカといえば、ジョニー・デップやティモシー・シャラメのイメージが強いと思います。
しかし原作のウォンカは、子供と同じくらいの身長で山羊のような髭を生やしています。また、黒いシルクハットを被り、干しぶどう色のベルベットの燕尾服に濃い緑色のズボンを合わせ、金の冠が付いたステッキを持つという、かなり独特な格好をした人物なんです。
その見た目は映画版とは少し異なりますが、人柄はティモシー・シャラメ版のウォンカに近い印象を受けました。お人好しで優しく、好奇心にあふれた子供のような人物として描かれています。
このように原作から、ウィリー・ウォンカはかなり個性的で魅力的な人物として描かれているんです。
・ウンパ・ルンパ
原作のウンパ・ルンパ、気になりませんか?
『チャーリーとチョコレート工場』のような小柄な人物なのか、それとも『夢のチョコレート工場』や『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のようにオレンジ色の肌と緑色の髪をしているのか。
実は、そのどちらとも違うんです。
原作のウンパ・ルンパは、チョコレート色の肌をした小人ほどの大きさの人物として描かれています。
また原作では、ウンパ・ルンパたちについても詳しく描かれており、アフリカに住む「ウンパ・ルンパ族」というピグミー族の一種として紹介されています。ピグミー族は実在する民族ですので、気になる方はぜひ調べてみてください。
ウンパ・ルンパたちが暮らしていた環境や、ウォンカと出会うまでの経緯は、ティム・バートン版『チャーリーとチョコレート工場』とほとんど同じです。
そして映画と同じように、彼らも歌います。
その歌はどこか皮肉めいており、同時に教訓的でもあります。子供たちの失敗や欠点をユーモアたっぷりに歌い上げる姿は、映画版にも受け継がれている魅力のひとつです。
映画のウンパ・ルンパたちがコミカルに描かれているのは、この原作があったからこそだと感じました。
・招待された親たち
映画では、金のチケットを手に入れた子供は両親のうち一人を連れて行くことができました。
しかし原作では、両親二人とも連れて行くことができたんです。
そのためチャーリー以外の子供たちは、父親と母親の両方が同伴することになります。
そして「その子にしてその親あり」という言葉の通り、子供たちもわがままで強情ですが、その親たちも負けていません。
映画でも個性的な親たちとして描かれていますが、原作ではさらに強烈です。
その振る舞いには思わず笑ってしまう場面も多く、どの映画でも味わえないほどの存在感があります。
このように原作ならではの違いはいくつかありますが、読んでいて感じたのは、『チャーリーとチョコレート工場』や『夢のチョコレート工場』が思っていた以上に原作を大切にしているということでした。
それほど『チャーリーとチョコレート工場』や『夢のチョコレート工場』が原作に忠実、または原作の雰囲気を描いているのが素晴らしいと原作を読んで感じました。
特にティム・バートン版『チャーリーとチョコレート工場』は、原作の世界観や雰囲気を非常に丁寧に映像化していると感じます。
もしこの記事を読んで原作が気になった方は、ぜひ手に取ってみてください。
映画とはまた少し違ったチョコレート工場とウィリー・ウォンカの魅力を味わうことができるはずです。
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同じ原作から生まれた、それぞれのチョコレート工場
さてこの章では、映画それぞれのチョコレート工場の違いや繋がりをご紹介したいと思います。
もしかしたらみなさんの知っているものや初めて知ることがあると思います。この記事をきっかけにもう一度、そして初めて作品に触れてくれたら幸いです。
それでは見ていきましょう!
チャーリーとチョコレート工場
最初にご紹介する作品は、みなさんもご存知『チャーリーとチョコレート工場』です。
この作品は前章でご紹介した通り、原作『チョコレート工場の秘密』をかなり忠実に映像化しています。
また監督を務めたのは、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』で知られるティム・バートンです。
そのため、原作が持つユーモアや個性的な世界観に、ティム・バートンならではの独特な美術や演出が加わり、唯一無二のファンタジー作品として生まれ変わりました。
また原作や『夢のチョコレート工場』は1960年代の空気を色濃く残していますが、『チャーリーとチョコレート工場』は2000年代らしい映像表現によって、現代の観客にも親しみやすい作品へとアップデートされています。
物語自体は原作に忠実に作られていますが、この作品には唯一とも言える大きな特徴があります。
それは、「家族の物語」として描かれていることです。
原作や『夢のチョコレート工場』では、チャーリーがチョコレート工場の後継者に選ばれるものの、ウィリー・ウォンカの過去についてはほとんど語られません。
しかし『チャーリーとチョコレート工場』では、物語の途中でウォンカの幼少期や父親との関係が少しずつ明かされていきます。
そして物語の最後には、父親との関係を修復するという映画オリジナルの結末が描かれています。
これこそが、『チャーリーとチョコレート工場』最大の見どころではないでしょうか。
また、仲の良いチャーリー一家とは対照的に、ウォンカは父親との関係に大きな問題を抱えています。
チャーリーは貧しくても家族に愛されており、ウォンカは成功していても家族との繋がりを失っている。
この対比があるからこそ、ウォンカが最後に父親と向き合う場面に意味が生まれているのだと思います。
この対比によって、「家族」というテーマがより深く描かれており、本作は単なるファンタジー映画ではなく、親子の絆を描いた物語にもなっています。
このように原作の魅力に加え、ティム・バートンならではの独特な世界観と家族の物語が合わさったことで、『チャーリーとチョコレート工場』は今でも多くの人に愛され続けているのだと思います。
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夢のチョコレート工場
おそらくこの作品は、3作品の中で最も知名度が低い作品ではないでしょうか。
しかし、この作品があったからこそ『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』が生まれました。
そして『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を観たことで、『夢のチョコレート工場』の面白さや魅力がより深く味わえるようになった。
今ではそんな作品へと生まれ変わったように思います。
原作が出版されてから7年後に公開された本作は、原作の世界観を映像化しながらも、独自の解釈や設定が数多く盛り込まれています。
まず大きな特徴として、この作品はミュージカル映画として制作されています。
そのため、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』がミュージカル作品として作られたのも、この作品の影響が大きいのかもしれません。
また、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』のラストで流れた劇中歌「Pure Imagination」は、この作品で生まれた名曲です。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』を観て気になった方は、ぜひこちらも聴いてみてください。
また本作には、原作とは異なる部分が数多くあります。
例えば、金のチケット探しからチョコレート工場へ入るまでの物語が長く描かれていたり、ウンパ・ルンパがオレンジ色の肌と緑色の髪をした小人として登場したりします。
さらに、原作や『チャーリーとチョコレート工場』に登場したクルミを割るリスは、金の卵を産むガチョウへと変更されています。
また、メインとなる部屋へ向かう道中では、ウォンカが様々な発明品を紹介してくれます。
このように、工場見学の過程にも独自のアレンジが加えられているんです。
また驚くことに、本作ではチャーリー自身が工場見学の途中で脱落しかけるという、原作にはない展開も描かれています。
このように独自の変更点は多いものの、物語の結末は原作と同じです。
そして私自身、チョコレートの川が流れる部屋の雰囲気は、この作品が最も原作に近いのではないかと感じました。
このように『夢のチョコレート工場』は、ミュージカル映画という独自の魅力を持ちながら、原作の世界観を当時の映像技術で表現しようとした作品です。
様々な変更点がありながらも、原作への愛情を感じられることこそ、この作品最大の魅力なのだと思います。
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり
やはりこの作品が、みなさんの記憶の中では一番新しい作品ではないでしょうか。
『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、『夢のチョコレート工場』の世界観やミュージカル要素を受け継ぎながら、2020年代に合わせた形で蘇らせた前日譚となっています。
もともと原作にもウォンカの前日譚は存在しておらず、『夢のチョコレート工場』から約50年もの時を経て、その前日譚を描くというのは非常に大きな挑戦だったと思います。
そして、この作品には『夢のチョコレート工場』へと繋がるイースターエッグが数多く盛り込まれています。
例えば
・ミセス・スクラビットの契約書
・ウンパ・ルンパとの出会い
・ウォンカの発明品
・スラグワースたちとの対立
など、様々な場面をよ〜く観察してみると、『夢のチョコレート工場』へと繋がる要素が至る所に隠されています。
このあたりは多くの方が詳しく紹介していますので、気になった方はぜひ探してみてください。
僕自身、この作品を観て一番驚いたのは、これまで名前だけしか登場しなかった「スラグワース」「プロドノーズ」「フィクルグルーバー」が、ついに人物として登場したことでした。
これまで様々な作品で、ウォンカの工場にスパイを送り込んでいたライバルたちが実際に登場し、ウォンカと真っ向から対立する姿を見ると、「こういう出来事があったからこそ、あの関係が今でも続いているのか」と少し面白く感じてしまいます。
また、『夢のチョコレート工場』でなぜウォンカが子供たちの中から後継者を選ぼうとしたのか。
その理由のひとつは、この作品に登場したヌードルの存在にあるのではないかと感じました。
ヌードルは子供でありながら賢く、純粋で、そして最後までウォンカを信じ続けます。
そんなヌードルとの出会いがあったからこそ、ウォンカは将来、自分の後継者としてヌードルやチャーリーのような子供を求めるようになったのかもしれません。
また、この作品のラストでは「Pure Imagination」が流れます。
この曲が流れることで、「夢のチョコレート工場を観たい」「もう一度観直したい」と思わせてくれる終わり方になっているのがとても良いと感じました。
このように『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、『夢のチョコレート工場』の魅力を受け継ぎながら、現代の観客にも楽しめるよう新たな要素を加えて蘇らせた作品です。
もしティム・バートン版『チャーリーとチョコレート工場』以外にも、別のチョコレート工場の世界観を味わいたくなった方は、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』で新たな物語の味を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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まとめ
『チョコレート工場の秘密』から生まれた3作品ですが、それぞれ全く違う魅力を持っていました。
『チャーリーとチョコレート工場』は、原作の世界観にティム・バートンならではの個性と家族の物語が加わった作品。
『夢のチョコレート工場』は、ミュージカルという形で原作の世界観を映像化し、その後の作品にも大きな影響を与えた作品。
そして『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』は、『夢のチョコレート工場』への繋がりを描きながら、新たな世代へとウォンカの物語を受け継いだ作品でした。
こうして見比べてみると、同じ原作から生まれた作品でありながら、それぞれが異なる解釈や魅力を持っていることがよく分かります。
また原作を読むことで、映画では描かれなかった設定やキャラクターの魅力を知ることができ、映画を観ることで原作とは違う表現や解釈を楽しむことができます。
もし『チャーリーとチョコレート工場』しか観たことがない方は、原作『チョコレート工場の秘密』や『夢のチョコレート工場』、『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』もぜひ手に取ったり、観たりしてみてください。
きっと、今までとは少し違ったチョコレート工場の魅力を発見できるでしょう。
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